ミッキーの逆襲 ウチのベランダにいるミッキーマウスにおびえる毎日。 ヤロウども、手すりのとこでダダダーッとダッシュ大会など開催しやがって、私はその度に 「ハッ(今の!)」 として 「ヘッ?(まさか!)」 として 「ガクッ(ミッキー&ミニー?)」 となる。 南台の交差点で、暴走族のふりかざした木刀をわしづかみにして追いかけまわしたことのある(しかも猛ダッシュ)私だが、このミッキー軍団の族には恥ずかしながらビビりっぱなしである。 このままだと神経衰弱になりかねない、と、あの宇宙的なデザインがステキな『ねずみ捕り』をワクワクしながら購入。なんとなく『ディズニーランド』と命名して、罪の意識をやわらげた気になる。 唐揚げを吊るして、私のデスクから良く見える場所に配置。仕掛け人気分で夜を待った。 来るには来るが、ハウス周辺をうろうろしてはまたダッシュトレーニングに励みだすミッキーズ。 翻弄されっぱなしの私は、この思わせぶりな態度は女性として見習うべきではないかと悩んでみたり、 近づいてきたミッキーに、 「ハウスッ!ハウスッ!」 と英語は通じないにもかかわらず小声で命令したりして、あきらかに情緒不安定。 友達に電話をして詳細を伝えると、 「お前まさか、昨日の唐揚げ?」 昨日真っ黒に焦げた鳥の唐揚げを 「イカ墨とは違いますが、こういうデザインの唐揚げです」 とテーブルに並べたところ、誰も食べなかったあのカラアゲ。 「あれじゃあネズミも食わねえよ」 ミッキーズはそんなにグルメだったのか。 しかも聞いてみりゃあ、大量生産で子供を産むそうですね。 毎日ヤッてるってことか? 思わせぶりでグルメで、毎日ヤッてるミッキーズ、ボクちゃんちょっとうらやましいかも。(錯乱中) 蚊をバカにするものは蚊にバカにされる 先日の呪われたキャンプの後遺症が私を苦しめた。 現在進行形。 蚊です。 前にボーイフレンドと、ウチの近所のダウンタウンのまっちゃんが住んでいるマンションの前の(説明が多いがこれはちょっとした自慢なので)公園に行ったら大量の蚊に襲撃され、私は泣きながら赤く膨れ上がったカショを数えたことがあった。42カショだった。 なんだか、やたらめったら腹が立ったので、これまた近所のウチの店(ウチのオトンは床屋をやっているがこれは自慢ではない)へ駆けこんで従業員に見せて同情をかえば気がすむかな?と思ったんだけど忙しそうで誰も控室にこない。たまあに来ても 「ホラ、見て見て!こんなに刺されちゃった1……2……3、4、5、6……」 「あ、ごめんね遊ちゃん、またあとで……」 とすぐフロアに戻ってしまうので、かわいそうな脚の42カショを証明できないのである。 私はさらに頭に来て、刺されたトコひとつひとつに番号をフることにした。油性ペンで。 そうすれば一目瞭然。どんなバカでも一瞬で 「むむっ、これはっ!」 とひと唸りするはずだったが、全て書きおえた後でまじまじと眺めたその脚は、耳なし芳一さながらスゴイことになっていて、さらにまずいことにカユさは倍増しはじめて、膨れ上がったような感覚に陥り、「この油性ペンは何日ぐらいで消えるのだろうか」なんてことが頭をよぎり、良く見りゃ油性ペンの中でもZEBRAとか言う老舗中の老舗であるから、ヤバイぞこれは。 さて、本題に入る。 栃木の蚊はこんなもんじゃなかったのです。 カショは少ないながらも、刺された直後は血がタラリと流れ落ち、直径1.5mmの刺し跡(今、測りました)が残るんですよ。 とにかくそこが腫れて重くて熱くて痛くて、歩けない。 向かいのウチの看護婦チーヤンから抗生物質入りの軟膏とやらをもらって1時間おきに塗ってます。 「点滴してあげようか?そしたら早く治るけど」 いえいえこれ以上刺されるくらいなら、私、おうちでおとなしくホームページでも作ってたほうがまだマシです。 神輿を担ごう アナタがもしも男ならば、そして、もう一歩でオチそうな彼女がいるならば、私はゼヒともみこしを担ぐことをお勧めいたしましょう。 神輿を担ぐ姿は、並の牛ドンが特上生卵付きに見えるようにアナタを輝かしてくれるはずです。 瞬間的惚れ魔のワタシなんか、もー飛び付きたい衝動を抑えるのに必死こいております。 チャリンコにカセットデッキ付けて、大音量で演歌を流し、『正義の味方参上』とか言う旗をなびかせ、誰かれとなく大声で話しかけるいわゆるヤバめの金物屋の息子(成人)が地元にいるんですが、ど〜っかで見たことあるヤツが神輿担いでんな〜って思ったら、なんとそいつなんですよ、そのチャリキチ。死にそうな顔で宙を見つめながら、担ぐというよりぶら下がっておりました。でもまあそれでもフツーの男子に見えるから世の中不思議だらけです。 しかし、ワタシの顔を見つけたとたん急に手を振るんですよ。 「え?ナニナニ?あいつワタシのこと覚えてんの?ヤッバー」 って思ったら、色んな人に手振ってました。ニッカーって笑いながら。4〜5人に手を振ったらまた急に死にそうな顔になってしばらく担いだ後また精気を取り戻したように手を振りだしました。物凄い笑顔で……。トラウマに陥りそうです。 まっ、あいつはあいつなりに、リカバリーとって神輿を担いでいたわけです。 そう、正気を取り戻し、バカを賢くさせるお神輿……アナタも担いでみませんか? 今まで生きてきて なんとか恭子がなんとかオリンピックで水泳競技でなんとか優勝したとき、 「今まで生きてきた仲で、一番幸せです」 とインタビューに答え、国民(とくにジジババ)はここぞとばかり嘲笑った。 しかしこの言葉は間違っているのだろうか。間違っている。よく見ろ、漢字が違う。 ま、それはいいとして、これは彼女の正直な気持ちであってなにも小バカにすることはないのである。 たしかに私も生後3カ月のガキが流暢な日本語でこの言葉を発したらぶったまげるが、彼女はすでに10何年間も生きてきたのである。 まぐれだと言った人よりずっとずっと運の強い人間であり、せせら笑った大人よりずっと過酷な練習をし、鼻で笑った人より何倍も鼻から水を吸い込んで「ツーン」と痛い思いをしているはずだ。何回もしてるはずだ。きっとそうだ。そうに違いない。 私は正しいかそうでないかと判断するのはキライだがあえて言う。間違ってるのはおまえらの方だと。 まったくゾーッとする。 あの小バカにした笑いと、鼻ツーンを思い出すとき。 今日のツーンは今まで生きてきた中で一番痛かったなあ。 HOME>DIARY>TEXT |