W.T.B.W.:VS URANAI
Cholestero Ito and Madam X.

 



高校同級生:古川エリさん(仮名)の証言

「あの動物はほんと迷惑でしたねえ」

「詳しくお願いします」

「ええ、学生の頃なんですけどね、期末や中間テストの前日から終わるまで私たちのそばから離れないんですよ」

「私たち?」

「ええ、自分で言うのもヘンですが、秀才グループです、はい。あの動物はいつもは問題児低能グループの一味で、普段は私たちと一言も会話しないんですよ。それがテスト期間中になると急にですね、むかしっからの親友のように執拗にくっついてくるんです。『どこがでるの?ノート見せて。ちょっとわからないんだけど教えてよ』とか、それで教えても教えても全く理解できないらしくて突然『ギャーッ!』って奇声をあげてパニくるんですよ。私たちはそんなこと慣れてないからびっくりしましたね、ほんとに。まいっちゃいましたよ。ええ、トイレも帰りもずっとそんな調子なんですよ。そのおかげでノイローゼ寸前の友人もいましたね。う〜ん‥‥‥低能グループとはいっさい口を聞かなくなるようでした。期間中は一言も。『おはよう』も言ってなかったみたいですよ」

「あなたたちはその動物にちゃんと応対してあげてたんですか」

「まあ私たちは平和主義者ですし、邪険にしたらあとでなにされるかわからないじゃないですか。それに一年中一緒にいられたら気が狂っちゃいますけど、最終テストが終わったとたん手のひらを返したようにまたもとの連中とバカ騒ぎしてるんですからね、神経疑っちゃいますよねー」

「それで勉強はしてたんですかね?」

「ええ、けっこうね、ちゃんとしてたようですよ。ノートが真っ黒になるまでびっちり書いてありましたから。でも内容はチンプンカンプンでしたけどね。一度聞いたことあるんですけど『あっちにいると勉強ができないからイヤだ。バカがうつる』とか言ってました。でも一番テスト結果が悪かったのはもちろんあの動物でしたよ」

検証3:珍獣は頭が悪いらしい




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