オヤマアチキショウ 緑川ピロリ ![]() 2・僕はテレビを消した 3・が、なんか物足りないのでもう一度テレビをつけた 4・アイスホッケーを見ながらチョコレートキャンディーバーをムシャムシャ 5・それから車のキーをもって外に出た 6・僕の六十五年型シボレー 7・バタバタと走り出す 8・途中巨大なカエルと老人達の戦いを観戦 9・知っていた 10・僕の飛び出した場所には何も無い 11・ドライブインで朝を迎えた 12・目を開けると外は白い世界で、尻のポケットからタバコを取り出す 13・僕は車を捨て移動手段を変えた 14・リフレッシュして街に出る 15・仕事の車で混雑した街、黒と青を基調とした旗が並んで風に揺れている 16・そこには、死んだはずの女がいた 17・ちょっと、ちょっと、おしずかに、おしずかに。 18・ 僕はどっかで会っていたはずだ、逢っていなかったにしても顔見知りである事 は間違いない 19・電話の混線中に必死になってやり取りををしたはずだ 20・メトロでは肩が触れたがすれ違い 21・いくつものポイントで平行になりながら歩いた 22・占い師曰く「その女の運命は、おまえさんに委ねられちまっている」 23・でも僕はそうは思わなかった 24・占い師曰く「もう手遅れかもしんねえが、ロッテルダムにいきなせえ」 25・僕はあらかたの貯金をエア・チケットに変えた 26・行き先はその場で隣のおじさんに決めてもらった 27・朝靄で煙る空港に降り立ったんだが、それが白昼夢の始まり 28・僕は朝と夜の間、街を徘徊する。頭をかかえながら 29・消毒液&ダンピング調査&死への傾斜&騒音の中 30・僕は、ブエノスアイレスで本格的にぶっ飛んだ。 31・それが、あの時の窓枠思想箱庭的雰囲気の再現でもある。 |