ホームジャンクポエマートそのお題、いただきます。  






こちらのお題:詩は、みなさまから頂戴したお題をためこんで、私、土屋遊が満を持して書きあげる、「一気書き」のコーナーです。

10〜15のお題:を、およそ15分で仕上げますので1作品につき制作時間ほぼ1分。作品の出来を考える間もなく、かっこつけてるヒマもねえ、脳反射で書くポエムは予想外の展開を見せるのでなかなか楽しい。

あるイベントの訓練にとはじめたものですが、なかなか面白いので続けていきたいと思います。お題提供はドバドバ掲示板または電子メールにてお寄せください。謝礼?そんなのでません。








「赤ちゃんはどこからくるの?」

   お題:こさささこ


イトーヨーカドーで買えるのよ

と言ったら弟は泣いて家出した

となりの亀田のおばちゃんちにいたので
すぐに見つかった

ばかなやつー







「大冒険」

   お題:コロッケ5えんのすけ


ヨットの人は泣いていて
ヒマラヤの人は死んじゃって

私は助手席で三島くんに寄りかかっただけだから

泣かなくても死ななくてもすむ大冒険







「海月坊主」




しかし……しかし君
勉強のことしか興味がない中学生なんて 海に浮かぶ海月のようじゃないか

そのうち無意識に なにかを刺してしまうとは思わんのかね







「幽体離脱」

   お題:やっさん


幽体離脱をしたら
まず自分の寝顔をみることになるのね

小鳥の鳴く声
小さな寝息をたて
ちょっとだけポカンとくちをあけ
髪の毛もくるんと寝癖のついた
かわいい寝顔がきっと朝日に照らされている……

そんなはずはないので
やっぱり幽体離脱はしなくていい







「いかんともしがたい」

   お題:あざけり先生


あかんともしがたい
いかんともしがたい
うかんともしがたい
えかんともしがたい
おかんともしがたい

しっくりくるのは「おかん」だな







「風」




風になりたいという歌があったが
本当に風になったらどうするんだろうか。
そんなこと容易くクチにしていいと思ってるんだろうか。思ってるんだろう。思ってるんだろうな。けっしてかっこつけたわけじゃあないんだろうな。じゃあマンギョンボン号って言ってみな。かっこつけないで言ってみな。







「思い思われ振りフラれ」

   お題: ma_shimaro


思われニキビができた

ある人は「振られニキビだ」といった

私は

私を思う思い人を探して夜の地下鉄をあるきつづけた

思われニキビは背中にもできた
思われニキビは太ももにも跡を残した

私を思う思い人の気持ちがひしひしと伝わる
きっとどこかで見張ってる

ダニアースを買ったら
いっきにニキビは引いた
私も引いた

ダニにこんなに思われても迷惑なだけなのよ
ばかっ!







「蘇生」

   お題:p*panther


溺れたフリをしていたら溺れて死んでまたよみがえった
私が一瞬死んだのにみんなゲラゲラ笑って
あれはおかしかったな

制限時間の2時間が過ぎて
公園でアイス食べていた時も
まだ笑ってた

あれもおかしかったな

私が本当に死んだ時もみんなでゲラゲラ笑ってくれるといい







「乳首」

   お題:キャニ


大人になったら乳首がオモチャになるなんて思ってもいなかった
でももっと思っていなかったのは付け乳首。あれなんだ?







「まんじり」

   お題:標本


まんじりともしない夜

きっとそれは
いやらしいことばにちがいない
だってマンと尻だよ

まんじりに性別があるなら
男にちがいない
だってマンと尻だよ

でもきっと
男が考えたことばだな
それも童貞とみた
だってマンと尻だよ

そんな
まんじりともしない夜 40才の夜
明日も暑いそうだ







「口うつし」

   お題:hjmtn


口うつしすると虫歯がうつるよ
口うつしすると口内炎もうつるよ

口うつしは危険がいっぱい

きれいなバラにはトゲがある
口うつしには危機がある

でも妊娠はしないよ







「ところてん」

   お題:mao


あんみつのみはしでところてんを食べる
あんみつのみはしであんみつを食べない
それが私のパンクロックだ!

でもあんみつのみはしの求肥だけはどうしても食べたい!

あんみつのみはしであんみつを注文
あんみつの求肥だけを私は食べる

それが私のパンクロックだ!

やっぱりところてんにすればよかったなー







「冷やしコンニャク定食」

   お題:紀ノ川 つかさ


白いご飯に思わず手を合わせ
ついてきたヌカ漬けを何度もかみしめる
みそ汁のおいしさ
それは
涙するにふさわしい

今日まで生きてきたが想像さえしなかった

こんなにも
こんなにも
こんにゃくに味がないなんて
しかも冷やしだよ

逆に感謝します







「へそのゴマ」

   お題:RIKAK


おまえのかあちゃんでーべーそー
と言ったら
ばかじゃないのと弟に言われた

弟のかあちゃんは私のかあちゃんだった

頭にきたから

きんぴらごぼうのうえにかかっていたゴマを3粒くらいとって
私のおへそに擦りこんでまたきんぴらのうえにのせた

おとうとはおいしそうにたべていた
ばかじゃないのと思った

夜になっておへそがかゆくてしかたなかった
みたら真っ赤になっていた

おかあさんに伝えたらメンソレータムを塗られた
おへそはみるみる痛くなった
ばかじゃないのと思った

おかあさんも弟も私もみんなばかじゃないの
ごまってかゆいんじゃないの







「惰眠」

   お題:ニコラ


惰眠
駄民
モンダミン

リステリンより刺激少ない







「むざぼる」

   お題:ニコラ


「むさぼる」
という字を読んだだけでも
なぜかやらしいなと思う

末期かな
それとも青春かな







「ラベルはここからはがせます」

   お題:///


ラベルはここからはがせます
ラベルはここからはがせます
ラベルはここからはがせます

だからなに?







「埋め草」

   お題:しもた


埋め草にも

花が咲く

こともある







「なんか難しいものお願いします。」

   お題:おみつ


あなたのむずかしいと
わたしのむずかしいは
きっとちがう

あなたはキライな人にでも好きっていえるけど
私は好きな人にもキライって言っちゃう

だから

あなたのかんたんと
わたしのかんたんも
きっとちがうのです







「練馬区」

   お題:我ツマ


練馬区に住んでるからあの男とは別れたと
じまんげに言い放ったミカコを軽蔑していたけど
好きになった男が赤阪に住んでるとじまんげにいったので一気に冷めた

ごめん

だって冷めちゃったんだもん

ミカコといっしょじゃないんだもーーーーーん







「青じそ」

   お題:おみつ


青じそがあるなら赤じそがあってもいいじゃないか!

あ、あった。

でも黄色はない。







「マラソン」

   お題:おみつ


人間と動物の大きなちがいはマラソンをすることかもしれない

あんなことするか?ふつー







「すべからく」

   お題:p*panther


すべからくスカイラーク

だからなんだと言われても

一字ちがい

この奇跡

私とあなたの出会い

それは奇跡

とは思わない

それは

すべからく出会った

そんな感じ

奇跡じゃない

スカイラークじゃない

あなたと私はスカイラークなんかじゃない







「駅前ロータリー」

   お題:コロッケ5えんのすけ


西口行きのバスがきた
時間になったら発車するだろう

君、乗りますか
と運転手に言われたら
ぼくは言う

バスには 乗らないよ
電車もタクシーも自転車もリヤカーにも乗らない

渇いた噴水とハトのフンのにおい
汚れた新聞紙と駅前ロータリー
排気ガスでくすんだ看板の下で
ぼくは バスに乗らないと誓いました

あてもなくふらふらと彷徨っても
誰にも変な目で見られない
どこへいけばいいのかわからなくて
立ちすくんでも誰も気にかけない
駅前ロータリーはいいよね
みんな勝手にグルグルまわって
チーズになっちゃったときに

ぼくは 大臣になる







「だいこん」

   お題:ささこ


ど根性だいこん
そう呟くと
食べるのがかわいそうになるのはなんでだろう

ど根性だいこん
ど根性だいこん

ど根性のあるだいこんということは
根性があるということだから
それだけで目と鼻と口があるような気がしてしまうのか

でもど根性だいこんのまま萎んでいくなんて
そのまま小さくなって少しの根っこを申しわけていどに生やしながら
高麗人参のように無様なミイラな死体をさらすなんてきっといやにちがいない

そんなことを思いながら
大根おろしを作っています

あ 指も摺った







「洗濯糊」

   お題:peneleap


母はいつも、洗濯糊をかけすぎてガビガビになったシーツで私を寝かせていました。それが、母の愛だと信じていたから。角に太股が当たると、痛いくらいの固いシーツで私は眠るのです。折ればクッキリと、折り紙のように折れ曲がるあのシーツで、私はぐっすりと眠るのでした。

私は毎晩悪夢にうなされ、背中にもお尻にもびっしりと汗をかいて、その汗があの糊を溶かし、体中にシーツが張りついてもがき苦しむのでした。カチカチのシーツは、ベトベトのシーツになり、私に覆いかぶさりました。

いつしか私は、100回お祈りをして寝るようになりました。手と手を拝むように合わせ、10回唱えるごとに一本一本指を折り曲げて祈ります。そうすれば馬鹿な私でも100回数えることができるからです。でも大抵は最後の方で混乱し、100回以上数えていました。少ないより多い方がいいに決まってるもの。

怖い夢をみませんように
怖い夢をみませんように……

母は、大粒の汗をはじかせながら、息も切れ切れに布団から這い出す私の様子を見ていつもにこやかに笑っていました。

美智子は寝相が悪いから困ったものね。

私が祈るべきは、怖い夢ではなくあの憎い洗濯糊をこの世から抹殺することだと気付いたのはあれから何十年もたったときのことです。いえ、本当はとうに悟っていたのかもしれません。だからといって、愛だと信じていた母を失望させることなどできましょうか。できません。できるわけないでしょう。







「ガシューナッツ」

   お題:hirox


ガシューナッツ

それは

まちがって鼻の穴にはいるとたいへんな惨事をまねく

そんな

そんな形をしている







「ないがしろ」

   お題:神田ぱん


ポストに入っていたもの

宅配ピザのチラシと
美容院の割引券
携帯電話の請求書
「便をないがしろにしやがって」
という紙きれ

A4サイズの白い紙に
筆ペンで書いてあった
右上がりの癖のある字

マンションのエントランスにあるゴミ箱にまとめて捨てて
家についた時ふと思った

あれは

「俺をないがしろにしやがって」

って書きたかったんじゃないだろうか

でも
私は
便も俺もないがしろにした覚えはないのだ





以下は、こさささこさんからのお題で、こちらの甘味づくしを参考にして、なにか書けとの指令に基づき創作したものです。「お菓子の家(ヘンゼルとグレーテル)」からとった「ディーゼルとカテーテル」は、ささこさんの執拗なダメ出しをくらい、断念した小説です。オマケに妄想話「おしるこ姫のお悩み」も収録いたしました。







「甘い誘惑」




甘いモノは手をベトベトして
甘い食べ物は歯を蝕んで
甘い人は私をだめにする

ほらみんな
あまいものがすき
だめなものがすき

あっちのみーずはかーらいぞ
こっちのみーずはあーまいぞ

そっちへいくと死んじゃうぞー







「私の脳は砂糖でできている」




ティースプーンなら7杯
大さじなら山盛り2杯
角砂糖なら六つで
ガムシロップは大量に

古川君がいちいちおどろいて笑って
ついこんなにエスカレートしてしまって
「ガムシロップ多めにおねがいします」
ってかわりに言ってくれるのがうれしくて
私の血も肉も脳みそもきっとどろどろで
こんなに甘くなっちゃって

私の脳は砂糖でできている
私の脳は砂糖に支配されている
今も

私はもう自分で注文はできちゃうし
それでもたまには公園のブランコをひとりで漕いじゃうし
私にたかってくる蟻に話しかけたりする

「君はだあれ?私のこと、気にいった?」







「ディーゼルとカテーテル」




富久子は、当時にしてもめずらしいお菊人形のような髪型をしていました。おそろしいほど深い黒髪でしたが、さらさらと揺れる光景など一度も見たことがありません。いつもこう、刺さると痛そうな、ビシッと決まったスタイルであったと思います。うらやましいという思いはありませんでした。富久子の顔はお世辞にもきれいともかわいいとも言えず、しかもいつも男子生徒に恨みを持っているような発言をしずかに呟くことが、あの、美しいはずの黒髪を身震いするような印象に変えていたのでしょう。いつもズボンをはいていたこともなにかの抵抗だったのでしょうか。現実に、卒業文集には「世の中の男を見返す」と書いてあったことが今でも忘れられません。

富久子とはそう親しくはありませんでしたが、家が近いこともあり、おしゃべりをしながら下校することもありました。覚えている話は「両親がきらい」「自分ちの九官鳥をいつかはく製にする」「男が憎い」「ハエって食べたことがある?」「お腹がすきすぎて給食をボイコットした」などと、およそ小学4年生にはふさわしくない内容に度肝を抜かれたものでした。

そんな彼女から、一度だけ今日家にこない?と誘われたことがあります。一瞬躊躇しましたが、私はいずれはく製になるであろう九官鳥が見たいという思いですぐに承諾しました。ランドセルを背負ったまま、彼女の家の玄関をあけると、けたたましい声で鳴く九官鳥が私を追い払うように出迎えてくれました。耳をふさぎたくなるような金属音。九官鳥に声をかけることもせずに、富久子はすたすたと階段をかけあがりました。家族は、誰もいないようでした。

玄関からそのまま二階へ上がった真正面が彼女の部屋でした。木のドアをギギギっと開けると、意外にも彼女の部屋は女の子らしくピンク色を基調にしたものでした。当時はめずらしい桃色の絨毯は、私の足をすっぽりと包み込むほどふかふかとしていました。「連れ込み宿みたいでしょ」と富久子は言いました。「ほんとだね」と私は答えましたが、なんのことかはわかりませんでした。自分のことを「あっし(私)」と言う富久子にはおよそ似つかわしくないかわいらしい部屋にも圧倒されましたが、それよりも中央におかれた、たくさんのお菓子のことを話さなければなりません。

ガラスの丸いテーブルのうえには、派手な色をしたクッキーや白鳥の形をしたシュークリーム、複雑な形をしたケーキが何種類か置いてありました。どれもこれも、東京都下の田舎町ではみたこともない、絵本からぬけだしてきたようなお菓子ばかりです。どうしたのかと聞くと「これ、ぜんぶ食べていいよ」と質問には答えません。「え、富久子はいいの?」と言いながらも、私はこんな色のついたケーキを一人占めできる興奮に心臓が高まりました。

ひとしきり食べましたが、これほどの量を一人で食べきるなんてできません。その頃流行っていたキティちゃんのシーツがかかったベッド(私などは親にせがんでも買ってもらえませんでした)に腰をかけて、やっと部屋の中を見渡す余裕が出てきました。しかしそれを、よそいきの沈黙だと思ったのでしょうか、富久子がいきなり「おじいちゃんみせてあげようか」とにやりと笑いました。おじいちゃんを見せるというオモチャのような表現がいまひとつ理解できませんでしたが、道ばたに落ちているいやらしい雑誌とか、友だちのお兄ちゃんが吸っている煙草なんかをこっそり見せてもらう時のような緊迫感がただよってきます。「うん」

階段を下りると、さきほどは感じなかったギシッギシッという音が響きます。九官鳥も私への警戒をといたのか、おとなしく首を傾げていました。

こたつのある居間は寒々としていました。振り子時計の音だけが妙に大きく、私は息を潜めました。私の家はいつもおかあさんや弟の友だちで騒がしいので、シンとした団らんの場所は、ひといちばい冷気がただよっているように感じるのです。

奥のふすまをあけると、そこに富久子のおじいちゃんはいました。いた、というよりもやはり「あった」という表現が正しいかもしれません。イスのように背もたれのついた鉄製のベッドの上に、おじいちゃんは目を閉じて存在していました。うっすらと何本か残っているまつ毛もほとんど白く、肌の色はおうど色で、頬はガイコツのようにこけていました。「生きてるの?」とつい口にしてしまうところでしたが、4年生の少女にもまたその言葉ははばかられました。鼻や口、身体のあらゆるところにビニールの管が通っていて、水蒸気が浮かんでいます。私はおそらく、病人を見るのは生まれて初めてだったのでしょう、頭がまっ白になり石のようにかたまって、おじいちゃんから少しも視線を離せませんでした。ただ、シューシューとかすかに聞こえる機械の音により、おじいちゃんは生きてるんだということを漠然と察知したのです。

「あのね、あのカテーテルにストーブの灯油いれたらおじいちゃん、死んじゃうよ」 と富久子がいいました。私はカテーテルがなんなのかその時はわからなかったと思います。ただ、急に私は今日の出来ごとのすべてが走馬灯のようによみがえり、我にかえりました。そして一言も発せないまま走って玄関に向かっていました。私は恐ろしかったのです。家に誘われたことも、九官鳥も、あの幸せ色のお菓子たちも、富久子がなぜあんなことを言ったのか、ストーブの灯油をどんなふうに入れるのか、想像しただけでみんなみんな恐ろしかった。

玄関で慌てて靴を履いていると「誰にも言わないでね」と背後で富久子が言いました。冷静でした。いつもの富久子でした。うん。言わない。言わないよ。声に出したのか、心で言ったのか、今となっては定かではありません。そして彼女はなおも続けてこういったのです。

「ケーキ食べなかったの、太るからなんだ」

九官鳥は、なぜかカラスのまねをして、バカにしたようにカーカーと鳴いていました。







「おしるこ姫のお悩み」




 おしるこ姫は悩んでいた。二十一年間生きてきて、こんなに悩んだことがあっただろうか。確かに悩みはあった。
「わたくしはもしかして家庭に幸せを呼ぶというザシキワラシじゃないかしら?」
「この目玉が、本当は口だったらどうしよう」
 いや、今までの悩みはケジラミのようなものだ。
 姫は恋をした。相手はゲチョロンテテイサッサマンガン国の王様だ。
 下女の持っていた文庫本「あなたの恋を叶える三つの法則」を無許可で永久拝借し、やや興奮気味に11画以上の漢字以外は全て読破。
 ほとばしる愛を伝える為には恋文をしたためることが有効とわかると早速全世界から「HOW TO本」を取り寄せるやいなや、執事を脅して一晩中朗読させ、睡眠暗記方に大成功した錯覚に陥る。
 そして恋文をしたためたおしるこ姫。成り行き上封筒に入れる。
 あら!
 ちなみにこの「あら!」は、驚きの「あら!」であって、知る人ぞ知る隠れたヒット商品・海苔つくだ煮の「アラ!」とはなんの因果関係もないことを報告しておかねばなるまい。
 話題は戻る。今世紀最大の悩みはここで発生した。確か『おしとやかな恋文の書き方・其の二十一』には、「宛名には様をつけませう」と書いてあった。
 ガーン!これじゃあ王様様じゃないか。カ……カッコワルー。
 しかも『おしとやかな恋文の書き方・其の百五十六』によると、「同じ言葉を重複して使うのはやめませう」とも書いてあったではないか。
 おしるこ姫は悩みに悩んだ。
 そうこうしているうちに王様はおしるこ姫のライバル・あんみつ姫の猛アタックNO.3によって結婚を決意。  おしるこ姫は失意のどん底でおしるこの食い過ぎによって自殺を図るが未遂に終わる。そしておしるこを世に広めようと巡業の旅に出たのであった。

以上です。▲上へ