真・触手ナイトという気味の悪いイベントに
こさささこさんからムリヤリ誘われ、今度ばかりは逃げられまい、と思い行ってまいりました。まあ一回行っとけば今度断る理由になるからです。
なにしろこんな絵(もっと気色悪いもの)のチラシを営業中の会社にまで持ってくるささこの並々ならぬ情熱に負けました。おそらく主催
江戸栖方さんが着るTシャツを見せたかっただけだと思います。まあいいでしょう、ちょっと見たいし。
事前にささこさんからは「ちょっと気持ちの悪いのもあるんだよね……」と聞かされていました。あんな気色の悪い絵を描く彼女が気色悪いとは?私、耐えられるのかな、と思いましたがまあその場で思いっきりゲロ吐くのもアリかもな……と気楽にかまえていました。
当日は昼前に、誰もたのんじゃいねえのにささこさんからモーニングコールがありましたが出る前に切れたので二度寝して30分後に起きて折り TEL。私のケイタイで電話してんのに「あーオンくんー?久しぶりー」とわけのわからない応答が返ってきて一気に目が覚めました。作戦かな。
「一人で行けない!」とガキのようなことを言う
マナビさん(まあこちらも私がムリヤリ誘ったんですけど)とものすごい遅刻プレッシャーの中で待ち合わせました。そんでもう始まってたけどのんきにお茶を飲んで二人でパーフェクトに目を覚まし、会場のロフトに向かいました。
ロフトでは、一部がすでに終わっていたようです。どうやらささこの餌食になったささこのご友人や
フジモトさんが場違いな姿勢の正しさで存在していました。びっしりアイロンのかかった白いYシャツは、どうも触手とは無縁の気がしましたが、それでもつむじさんは「面白かったよ」とバンビのような瞳で私に報告してくれました。「ほんとかよ」と思いましたが「へー」と言いました。
次に江戸さんの秘宝らしき触手AVの紹介です。ここで私の心をぐっとつかんだB級作品が次々に流されました。
・アナコンダクラスのでかいヘビを首に巻きつけ2人の水着外人がだただ延々とカメラの前でタルいダンスをしているだけの作品・ヘビタレントのゴールデンパイソンに乳首をかませようと必死な女優(ブサイク)の作品・挙句の果てにはハ虫類のペットショップを観賞するタレントを観賞する作品・茹でたタコで触手責めを試みるAV女優・出演蛇は全部図鑑のカラーコピーで、ラストに網タイツをかぶった女子(片目はタイツのためちゃんと開けない)が、どれだけヘビを好きか語っている作品……触手の定義を完全無視した作品ばかりで大変面白かったです。これで本当にヌケる男性がいるのかと思うと、人間の体とは本当に不可解でなりません。
ヌケるといえば、次にゲストの方々が二組、これは個人的に、エロくてあまり興味が沸くものではありませんでしたが、観客でコーフンしている人っているのかなーと、たまに会場に目を向けて楽しみました。私は鳥目ですから、よく確認できませんでしたが、もしかしたらこのコーナーが一番盛り上がっていたのかもしれません。いろんな部位とか……。
でも私の真正面に座っていたマナビさんは、カバンを抱え、首をぐったりとうなだれて瀕死の状態でした。声をかけると「出よう」というと困るのでシカトしておきました。
三部は「触手表現で振り返る日本コミック史」というコーナーで、かなり有名な漫画家もみな触手を描いているのですとゴーインに語り、江戸さんの触手千本ノックのように次から次へテンポよく紹介されていました。
でも覚えているのは島田啓三先生の『
冒険ダン吉』の表紙の足が黒塗りのようだったこと。(足が18禁かよ?とウケた)
そして、とりいかずよし先生の『トイレット博士』です。
チンポコ星人のインパクトがすごすぎて他のはほとんど覚えていません。チンポコ星人の大群がチンポコをぐにゃぐにゃに伸ばしてハチャメチャになっているサマは圧巻でした。あれは引き伸ばして額に飾りたいです。
そしてどなたの心にも深く刻まれたであろう作品が「
ズーマ 恐怖のバチあたり」です。
全身グリーンので両肩にデカい蛇を抱える魔神なんですが、因縁の娘は三つあみのお下げがヘビになっているという悲しきDNA。出会ってしまった運命の二人がクライマックスを迎える前にいきなり終了するという、江戸さんの演出にはため息がでました。ものすごいブーイングとともに、「次回は触手サミットを」と約束をして宴は終わりました。
みなさんはご存知かと思いますが、かつて私は、三日後に閉館になる元祖国際秘宝館に行ったあと、街中のすべてがエロい物体に見えてしまうというやっかいな奇病にかかりました。(たとえば井戸が拷問マシンとか、水道管がチンコとか)もし完治しなかったらこれはヤバい……と本気で心配しましたが、幸い理性というカンフル剤のせいでしょうか、東京へ戻った瞬間に治ったものです。江戸さんはきっとすべてのものが触手に見えてしまう、完治の見込みのない不治の病なのだと思いました。
素人ながら、私のバカさや全開トークが最大限に発揮できる相手というのが私にもいますが、
成田優介(リタ・ジェイ)さんの司会トークは、まさに江戸さんの知識と興味と変態かげんをちょうどよく中和してオモテに出すに値するものにしてくれる存在だと感服いたしました。いい塩梅の視点と、もって生まれたサービス精神があのような立派な青年に仕立てあげているのでしょう。
そして気づけば、目の前のマナビさんは完全に死んでいました。そんなマナビさんに「あとで怒られちゃう!」と言ってやけに心配するささこさん。でもその後のトルコ料理屋などでは、いつもの私の自慢トークに対抗するかのように、六時間ぶっ通しで一番しゃべっていたのはささこでした。
当日の発見は、なんと、うちのオカンはささこに似ているというところです。そしたら「土屋さんみたいな子が生まれるなんてヤダー」と真剣に駄々をこねてました。
まったくわけがわからない。
あ、このわけがわからない人が描いたわけがわからないご自慢のTシャツをお披露目しなければ話になりません。
こりゃ確かに江戸さんしか着こなせませんね……-----------------------------------
紹介作品群
【実写AV触手】
・SNAKES(洋画蛇姦系)
・妖獣教室
・すねーくハート
・ヘビ狂いの女http://www.shocker.jp/SM/Sm325.htm
・蛇令嬢ナオミ
・蠢動に蛸が襲い淫膜に疼きhttp://www.dmm.co.jp/digital/videoa/-/detail/=/cid=gen01
【触手表現で振り返る日本コミック史】
(タイトル・作者・触手シーンの順です)
・『冒険ダン吉』島田啓三
怪獣の島から脱出したダン吉一行が船上でオオダコの集団に襲われる
・『鉄腕アトム』手塚治虫
人工太陽球
・『PLUTO』浦沢直樹
ヘラクレスのからだにプルートウの角がからみつく
・『マグマ大使』手塚治虫
コイダマリネが足(根)を伸ばすシーン
・『仮面ライダー』石森章太郎
コブラ男と仮面ライダーの対決
・「仮面ライダースーパー1」すがやみつる
(『テレビマガジン』昭和55年11月号付録)
表紙(エレキバス)
・『ウルトラマン』楳図かずお
バルタン星人の回に登場する触手円盤(コミック版オリジナル)
・『怪奇大作戦』桑田次郎
コミック版オリジナルストーリー「死霊の家」の吸血植物
・『人外魔境』桑田次郎
「手の中の顔」に登場する宇宙植物
・『海の王子』藤子不二雄
黒いおおかみを追って洞窟にはいった海の王子にからみつくオオダコ
・『思春期100万年』松本零士
「幕末日本銀河革命戦」で太にからみつく植物
・『マジンガーZ』永井豪
バマラスY1
・『花の天誅組』幻六郎
もだ恵の必殺技オッパイプロペラ
・『地獄の水(幻想怪奇4)』水木しげる
「ぽけっとまん」で、ぽけっとまんを食べようとした鬼が
触手で逆襲される
・『人食い木鬼』古賀新一
主人公の一家を伝説の木鬼が触手で襲う
・『マーズ』横山光輝
第六の神体・ラーがガイアーを触手で攻撃
・『ぼくはケムゴロ』赤塚不二夫
主人公のケムゴロ
・『トイレット博士』とりいかずよし
チンポコ星人のチンポコ
・『東の地平 西の永遠』萩尾望都
「スペースストリート」の「その2・悪い夢をみた夜は」の扉絵
・『釣りバカたち』矢口高雄
「逃げた魚」の最後のエピソードでテグスがからむ女性ダイバー
・『アダムの肋骨』諸星大二郎
「貞操号の遭難」で登場する男性植物人間
・『彼女の想い出』大友克洋
「惑星TACO年代記」
・『アタゴオル物語』ますむらひろし
体につけたダイヤの装飾品がすべて酢ダコに、ほか触手シーン多数
・『メチル・メタフィジーク』吾妻ひでお
第1話で登場する某原作者先生の肩の触手
・『うろつき童子』『La Blue Girl』前田俊夫
触手シーン多数登場!!
・『さよりなパラレル』竹本泉
海の世界に飛んださよりが巨大イカに襲われる
・『カードキャプターさくら』CLAMP
「影」カードがさくらを襲う
・『撃殺!宇宙拳』破李拳竜
李燕雲が魔空城の牢獄でタコにからまれる
・『BONDAGE FARIES』昆童虫
プフィルがミミズに襲われる
・『クロス・ファイア』ちみもりお
「明日なき世界♂なき人類」で女の子を襲うメカ触手、ほか
・『内臓レディ』中山たろう
内臓レディの脱腸シーン
・『少年時代』宮西計三
「夜の種子」の扉絵