■大変な事態です。テレビがぶっ壊れました。なんか知んないけど、電源を付けるとオンタイマーとかいうのがチカチカ点いてブラウン管は真っ暗。息子のオンはいつもリモコンを投げていましたからそのせいだと思い「きさまー!」とオンにキレかかると「朝青龍が壊した」と、妄想じみたことを真顔で言いだす始末。
テレビではなくオンが本気でおかしくなったのでは……とこればかりは買い換え不可能ですから(いやそうでもないか……)、こちらも真剣勝負で話を聞きましたら、相撲中継(朝青龍の待ったなし)の際にテレビがイカれたそうです。
まあいいか……。白鵬じゃねえし……。
ちょうど受験なので「この家にテレビはなかったことにしよう」と独断で取り決めました。モーレツな抵抗という予想をくつがえし、敵は「まあそうだな、そのほうが合格した時のよろこびは大きくなるかもな……」なんてあっさり引き下がります。そもそも勉強もせずに受かる気満々という脳の構造じたい理解不可能なんですが、この引き際にも一抹の不安と腹立たしさを覚えます。そういやあ元ダンナことオンの父親も「結婚しよー」というと「まあいいよー」、「離婚しよー」と言っても「まあいいよー」と、とどのつまりは"どうでもいいDNA"が作用しているのかもしれません。どうでもいいは遺伝するのでしょうか。これは大変です。
いやしかし、大変といえば。すっかり忘れていましたが私の家は、私がいる時はずっと、寝ている時もテレビを付けているというややキチガイじみたテレビっこ一家なのです。それもほぼNHKですから、NHKとともに寝てNHKとともに起きる。この生活習慣をくずしてしまうのは精神状態までもくずしてしまうことになり、早速私はあまりの静けさに耐えきれず、何度も何度も「しーずかあああーな、しーずかなー やーまのーああーきー」とそこだけをリフレインして奇妙なウラ声で歌いまくるという暴挙にでました。
呆れはてた息子でさえ、風呂で「しーずかーーな……」と歌っていたのを私は聞き逃しませんでした。これはまずい。このままでは受験勉強に支障をきたすので、仕方ない、明日は息子のためにテレビを買いに行こうと思います。
ところで「しーずかああーな……」のあとはなんだったっけ?とGoogleさんに訊ねました。「山の秋」だと思っていましたが「里の秋」だったようです。しかもこの歌は、戦争を賛美した歌だったということも判明しました。まあどっちにしてもこんなことにはへこたれません、明日はテレビを買いに行きます。
■本日は、「私は流行の一歩も二歩も先をゆく」というテーマで自慢テキストを書く気満々ややコーフン気味でしたが、こんなふうに戦争賛美をあろうことかウラ声で歌ってしまった手前、本日は自粛したいと思います。明日はテレビを買いに行かなきゃならねえし。じゃあな!